公開: 2023年9月18日
更新: 2023年9月18日
古代文明が発祥して以来、エジプト、バビロニア、古代ギリシャなど、繁栄した文明で信じられていた古代の宗教は「多神教」と呼ばれる、複数の神がいる宗教でした。古代ローマでも、最初、信じられていたのは、古代ギリシャで生まれた、「ゼウス」を最高神とする多神教でした。
これに対して、古代エジプトの社会で奴隷とされていた人々を、ファラオから解放し、解放した人々を人々を率いて、古代エジプトを出て、「約束された地」とされた現在のエレサレムへ向かったモーゼが、約束された地へ向かう途中、神から十戒を授かり、ユダヤ人の宗教、ユダヤ教が成立したとされています。その十戒に述べられていたのが、「私以外に神はいない。」とするもので、唯一の「神」だけを信じることが要求されました。
古代ローマで成立した原始キリスト教は、そのユダヤ教を、ユダヤ人の宗教から、全ての人々の宗教にしたもので、「一神教」の戒律を守った宗教でした。古代ローマの社会では、それまでの多神教に対して、一神教を主張するキリスト教は、「唯一の神」以外を認めないと言う意味で、特異な宗教でした。このことが原因で、最初、キリスト教は、異端の宗教として、社会では認められず、「信じることを禁じられた」信仰とされていました。
しかし、キリスト教は、その教義の普遍性から、少しずつ社会に浸透してゆき、古代ローマの社会でも、重要な宗教として認められるようになり、最終的には、ローマ皇帝も信仰する、国家の宗教になりました。